かつっぺ
かつっぺ
みなさん、こんにちは。
芦屋の小・中学生対象の塾で、文系科目を26年間指導してきたかつっぺです。

私は文系科目の担当だったので、小・中学生の保護者との懇談で圧倒的に多かった質問は次のようなものでした。

うちの子は国語が苦手なんです。やっぱり読書させるしかないんですか?

この質問に対して、国語が苦手なお子さんに共通する特徴とその生徒のタイプとを照らし合わせて具体的な対策をアドバイスしてきました。

国語が苦手な子どもに共通する特徴
  1. 朗読させると助詞の読み飛ばしが多い
  2. 日常会話が成立しない
  3. すぐに言い訳をする

あなたのお子さんはいずれかに当てはまっていませんか?

 

もしひとつでも当てはまっているものがあったら、この記事の解決方法をぜひ参考にして実践してください。

 

この記事は「国語が苦手な子どもの読解力をあげるにはどうしたらいいか知りたい」という保護者様向け。

 

国語の読解力をつけるための根本的な方法とは!?
結論はこうです。

 

「読み間違えずに文章を読み、相手の話をじっくり聞き、ものごとを論理的に考える習慣をつける」ことです。

 

読解力を上げるのは無理とあきらめる必要はありません。

 

小中学生の間なら根本的なところを改善すれば読解力アップは余裕です。

 

では、3分ほどで読めますが、少し長いのでさくっと結論を読みたい方は目次から「まとめ」に飛んでください。

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小中学生で国語が苦手な子の特徴

国語苦手

 

26年間も塾で国語の指導をしてきたので、生徒が国語のできる子がどうかは最初の授業ですぐに分かるようになりました。

 

この記事では、国語が苦手な子の特徴を3つに絞り、国語力を上げるための対策を簡単に説明していきます。

朗読させると助詞の読み飛ばしが多い

朗読

 

対策から先に書きます。
読み飛ばし対策は王道でいきます。

 

・小学生低学年…教科書の文章を毎日ノートに写す。
・小学生高学年~中学生…毎日教科書を朗読。

実際に授業で行っていた確認と対策実例

まず最初の授業で、生徒全員にテキストの文章を2~3段落ずつ朗読してもらいました。

 

すらすら読める子もいれば、漢字が読めなかったりところどころ噛んでしまったり。

 

そんな中で必ず「助詞を読み飛ばしてしまう子」が何人かおり、その子はほぼ間違いなく国語ができなかったです。

 

例えばこんな感じ。

 

【本文】テレビにのめりこませてしまうという危険性がある。受け身で見ているだけでいいという気楽さある。

【助詞を読み飛ばす子】テレビにのめりこませてしまうという危険性がある。受け身で見ているだけでいいという気楽さある。

間違える子はほとんど読み間違えます。助詞を読み飛ばしたり変えたりすると文意が変わってしまうことがあるだけでなく、他の語句単位でも読み飛ばしてしまうことが多い。
要するに、読み方がかなり適当。

 

読み飛ばしをする子の共通点は、
「落ち着きがない、集中力がない、そして残念ながらそもそも本当に読めない(自発的に全く本を読んでこなかった)」ということ。

 

なので、授業では「間違うたびに注意し、文章に集中させる。ゆっくりでよいから正しく読ませる。」よう指導してきました。

 

が、週に1度の授業で改善できるわけがありません。

 

そこで、“指定時間内に間違いなく読めるようになるまで”という条件付きで朗読の宿題を出しました。

 

効果は…真面目に取り組んできた子には効果がありました。時間指定というハードルを設定することで集中力が鍛えられたからですね。

 

とはいえ、塾の宿題では限界があり、そもそも読むのが嫌いな子は読んできません。高学年以上になるとペナルティーでノートに写させても適当に写すだけ。

 

では、どうすればいいの?

読み飛ばし改善策も最後は王道

読み飛ばしを改善するためには、
「毎日親が横につき、教科書を見開き1ページ間違いなく読めるまで繰り返し読ませる」

 

最終的には王道の手段ですが、「読み飛ばし」は一度意識付けができれば習慣化されるのでしんどいのは最初の数週間です。

 

低学年は、教科書を間違いなく写させるようにすればよいです。
低学年の間は、まだ親の言うことを聞いてくれるはずなので、「ていねいに書くこと」と条件を付けて書かせましょう。

日常会話が成立しない

会話

 

日常会話が成立しない子というのは、「自分ことばかり話してしまう子」か「どう返事を返したらよいか分からない子」のことです。

 

相手の話を聞かない(聞けない)ので話がかみ合わない。

 

こういう子どもの多くは国語で点が取れないです。

 

対策は次の2つ。

 

・家族の会話を増やし、相手の話も聞く習慣をつけさせる。
・読書をさせる。

問答形式の会話を増やす

そもそも背景に会話が少なかったことが考えられます。ご両親が共働きでゆっくり子供の話を聞いてあげられなかったとか、幼少時からゲームばかりさせてきたとか…。うちもかなりゲームをさせてしまっていました(^^;
会話を通して相手の考えや思いをくみ取ることができなければ、文章を読み取ることも出来ません。

 

なので、まず会話を増やしましょう

 

話題は何でも構いませんが
「なんで~なの?」「どうした~したの?」など問答形式の会話を心がけてください。

 

国語の問題も基本的にすべてこの問答形式、もっといえば、文章自体がすべて問いと答えのくり返しだからです。

 

「勉強以外の話題で、子どもと話をする際に、『これって何のためなんだろうね〜』『なぜそうなんだろうね〜』『これって○○(子どもが知っている知識や経験)と似てない?』と言ってみる」
意味を理解する子は、「疑問を持つ」「自分に置き換える」「目的を考える」傾向にあります。
それをあえて、日常の話題の中で「問い」という形で言葉にしてみるのです。“問われる”と人は、そこに意識がフォーカスします。すると、内容の世界に入っていくため意味を深く考え、理解するようになっていきます。
引用元: 東洋経済ONLINE「私がどん底で見た「読解力がない」という地獄」

この記事のように、問われることで意味を深く考え、答えを出すための根拠を探すようになります。これが国語の読解につながるわけです。

読書の中で対話(会話)する

王道の「読書をする」ですが、語彙力や言葉遣いが身につくという効果だけではありません。

 

読書をすることで、対話(会話)を学ぶことができるからです。

 

読書の「対話」には2つあります。

1つは、文章の中にある対話(言い換えれば論理)

 

説明的な文章であれば、文中に問いかけがあり答えがあります。
物語文(小説)であれば、人物の心情や行動に必ず理由があります。

 

必ずその答えには理由があるということが学べます。

 

もう1つは、自分と文章との対話

 

なんで筆者はこんなこと言ってるんだろう?
なんでこの人物はこんなことしたんだろう?
これはどういう意味なんだろう?

 

読書をすることで思考が働き、国語力(読解力)を鍛えてくれます。

 

マンガは視覚的にすぐ結論が分かってしまうので、あまり効果がありません。
好きな雑誌なども、活字に慣れる効果はありますが、そもそもの国語力(読解力)を鍛えるには不十分です。

 

「国語は論理の教科だ」と言い続けてきました。国語が苦手な子はセンスがないのではなく、論理を意識して読む練習をしていないだけです。国語力を伸ばすには、論理力を身につけるしかありません。
論理とは基本的に、「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」という三つの言葉の使い方の法則です。
引用元: 朝日新聞eduA 2020教育改革 国語力の鍛え方 出口汪

なので、まずは夏の課題図書にあげられているような本から読んでみましょう。


すぐに言い訳をする

言い訳

 

どんなことに対してもすぐ言い訳をする子は国語力がない子が多いです。

 

なぜなら相手の意見を聞いて判断しているのではなく、自分の主張を押し通そうとしているからです。言い換えれば自己中心ということですね。

 

別項でも書きましたが、成績向上に一番大切なことは相手の話をまず受け入れる「素直さ」です。

 

国語に関しては、書かれていることを受け入れるということ。

 

本文の中で「~だから、~になる。」「~だから、~した。」という筋道を素直に読み取ることが大切で、主観が入る子は国語で点が取れません。

でもでも星人の対策

私の息子もすぐに「~でも」と言い訳をするので、高校の進路指導の先生から懇談でボロカス言われました(^^;

 

そんな「でもでも星人」の対策は、
「でもでも星人の話を聞いて、なぜそう思うのか理由を聞く」こと。

 

頭ごなしに、「あなたの意見は聞いていない」といってしまうとシャッターを閉めてしまうので。

 

まずこちらが言い訳をしっかり聞いたうえで、正しい根拠を示して説明する。

 

「あなたがそう思うのは分かるけど、ここには〇〇だから〇〇って書いてるよね。」
「あなたがそう思うのは分かるけど、〇〇というデータがあるんだから△△だよね。」

 

小中学生の「でも」はほとんどが感情優先の「でも」なので、正しい根拠を示せば納得してもらえます。

 

一度だけでなく、根気強くこの対応を続けていくことで子どもにも相手の話を聞く姿勢が身につきます。

まとめ

読書

 

国語ができない子の特徴は3つでした。

 

・文中の助詞や語句を読み飛ばしてしまう。
・自分のことばかり話して会話が成立しない。
・すぐに「でも」と言い訳をし、素直でない。

その対策として、

 

・読み飛ばし⇒毎日、読み間違えずに読めるまで朗読(低学年は教科書をノートに写す)。
・会話不成立⇒問いかけの会話を増やす・読書をする。
・言い訳⇒子供の意見・理由を必ず聞く。

 

読み飛ばしの改善は、習慣化すれば比較的容易にできます。「読み飛ばし改善=集中して読める⇒国語力アップへ」となります。

会話ができない子は、日常の問答会話や読書を通して対話を学ぶことで文章の筋道(論理)がつかめるようになります。

言い訳をする子も、親がまず話を聞いてあげることで相手の話を聞くことの大切さを教えます。

 

今回はここまでです。

具体的にどんな問題集を使ってという話ではなく、根本的な読解力(国語力)をつけるための方法を解説しました。

最後までお読みくださいありがとうございました。