こんにちは、かつっぺです。
この記事は中学受験・高校受験でお子さんの進路に悩んでいる方に向けて書いています。
塾講師として授業以外で最も責任重大な仕事は、保護者との懇談で受験校の道筋をつけるというもの。
あえて、受験校決定とは言いません。
大手のエリート進学塾では、塾主導で志望校を決定することが多いですが、私が勤めていた塾の基本方針は「受験校の最終決定はご家庭がするもの」だったからです。
とはいえ、合格率やお子さんの将来を考えた受験校選びのアドバイスははっきり伝えていました。
そこで、この記事では「志望校変更」をした方がよいという場合とその理由についてご説明します。
結論から言うと、模試などで数字が伴っていない場合は志望校変更をした方がよいです。
ほぼデータ通りの結果が待っているからです。
また、不合格の場合はお子さんの見えないダメージが大きく、合格できてもお子さんの成長が期待通りにはならないことが多いからです。
では、もう少し深掘りしていきます。とはいえ、2分ほどで読めますので最後までお付き合いください。
・芦屋市で26年間、小中学生を対象の学習塾で文系科目を中心に指導
・中・高「社会」の第1種教員免許取得
・専門性を生かし、成績を上げるための方法や通信教育などの紹介記事多数執筆中
もくじ
合格率が低いなら志望校変更すべき -データは正直-
「実績こそ命」の中学受験塾では、今でも可能性があるならチャレンジすべきとお子さんの性格や学力を無視した進路指導が行われています。
もちろん、開成中学校や灘中学校などのトップ校を目指されている方は、親子ともどもそれを前提として塾で勉強されているので、ぶっちゃけどんな結果であれ志望校変更をする必要はないですね。
でも、普通の上位校・中堅校を目指されている方は、
模試の結果で「合格安全圏(合格率80%以上)」に程遠い場合は、志望校変更をした方がよいです。
「合格可能圏(合格率60%)」はまだしも、「合格努力圏(合格率30%前後)」だとチャンスがあると思って受験してもほぼ無理です。
データは正直です。
合格の可能性が限りなく低い場合は受験するだけ無駄です。
✅全国レベルでのトップ校を目指している子は志望校変の必要なし
✅普通の上位校・中堅校を目指している子は、模試の結果で志望校変更すべき
志望校変更をすべき理由
理由は2つあります。
一つは、不合格だった場合のお子さんの精神的ダメージは親が思っている以上に大きいからです。
失敗を糧にとプラスに考えられるようになるにはまだ幼いです。
親のエゴでこの一番大切な点を軽視している保護者が多いのは非常に残念なことです。
二つ目は、チャレンジ受験で合格できても伸び悩む子供が多いからです。
模試での合格率が低かったのに合格できた場合、つまり、志望校相応の学力がないのに合格できた場合、お子さんがその学校で力を伸ばせる割合は1割以下だからです。
これは、26年間1,200人以上のお子さんを世話してきた体感でしかありませんが、多くの子が進路報告に来てくれたり、間接的なものを含めるとほとんどの卒塾生の情報を聞いてきましたので、信憑性は高いと思います。
チャレンジ受験で合格できた学校に進学しても、
その時のお子さんの学力にあった授業を受けなければ、授業内容の理解ができないからです。
これは私立中学校・私立高校であっても公立高校であっても同じことです。
[模試の結果で志望校変更をすべき理由]
✅不合格だった時、子供の精神的ダメージが大きい
✅その時の自分の学力に合った授業を受けないと伸びない
私立中学校・私立高校の本音
それは営業トークです。
多くの私立学校が考えているのは、子供が受験してくれてなんぼ、子供が通ってくれてなんぼ、生徒の実績を出してなんぼ、だからです。
名のある大学へ合格できるクラスやその可能性があるお子さんへのフォローはしてくれます。でも、下位の子に対しては進級させるためのフォローだけです。
✅私立学校は経営第一。そのために実績追求。
中学受験・高校受験がゴールではない
「志望校変更をすべき理由」で述べたことを逆に考えると答えは出ます。
✅チャレンジ受験をして失敗
→精神的ダメージを受け、学習意欲が低下
✅チャレンジ受験をして合格
→学校の授業についていけない、フォローもしてもらえない
✅志望校変更をして合格
→成功体験を得て、学習意欲の向上
→学校の授業がよく分かる、フォローも厚くなる
ホップ→ステップの段階を踏んで、着実に学力を上げていくことで、最終的にステップ→ジャンプが達成されるのです。学校のフォローも厚くなり成長度が各段にアップします!
お子さんのゴールをどこに設定されていますか?
有名な私立中学や私立高校に通うことですか?
考え方は人それぞれなので、ゴール設定ももちろんあなたや各ご家庭で違います。
でも、将来の選択肢を狭めてしまうような受験だけは避けてあげたいですよね。
✅中学受験・高校受験での合格がゴールではない。
志望校変更による本人の気持ちとフォロー
たしかに、志望校を受験させてもらえなかったことを根に持ったり、ランクを下げたことで自分を卑下するようになることもあります。
なので、次の段階でジャンプできるよう塾・予備校などで妥協しないフォローをしてあげることが大切になります。
同じフォローでも、無理して合格した場合のフォローよりも段階を踏んでいるぶん学力の伸び幅は大きいので、徐々にお子さんも自信と目標が生まれてきますよ。
あらかじめ広く志望校を考えておいて、初めからお子さんに無理なプレッシャーを与えないように配慮しておくとそもそも劣等感を抱くようなことはありません。
✅志望校変更には、受験前のフォローと受験後のフォローが必要。
志望校変更 まとめ
中学受験・高校受験で無理なチャレンジ受験をして不合格になるのは、本人にとっても親御さんにとってもメリットはほとんどありません。
第一に考えるべきは、お子さんの心身お健やかな成長と着実な学力の向上ではないでしょうか?
そのために、無謀なチャレンジ受験は避け、その時のお子さんの力を最大限伸ばしてくれる学校の受験を選択することが大切です。
✅模試のデータは正直なので、データによって志望校変更すべき。
✅中学受験・高校受験がゴールではない。ゴールはまだ先。
✅チャレンジ受験で合格しても、授業についていけなくなるだけ。
✅自分の力に合った学校へ進学する方が伸びる。
✅ただし、志望校変更には変更前と変更後のフォローが大切。
子供の精神面・学力面での成長を第一に考え、
ホップ→ジャンプではなく、
ホップ→ステップ→ジャンプとなるような受験校決定が理想的です。
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