この記事では、毎週、宝塚歌劇専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」のおススメ舞台映像を紹介しています。

宝塚歌劇ファンの方・最近宝塚歌劇のことが好きになった、気になるという方向け。

今週【2020年7月13日(月)~7月19日(日)】の注目番組は!

涼風真世さん主演『珈琲カルナバル』です!

どこまでも男くさい涼風ジュリオにぞくぞくさせられる、柴田先生のロマンが詰まった珈琲の香り漂う素晴らしい作品です。

この機会に、是非タカラヅカ・スカイ・ステージでご覧ください。

スカステについて詳しくお知りになりたい方は、上記にてどこよりも詳しく視聴方法・視聴料などについて丁寧に解説しています。是非参考にしてください。

涼風さんの歌声をたっぷり聴きたいという方は下記記事を参照ください。

簡単に自己紹介しますm(__)m。

・宝塚ファン歴30年のアラフィフおやじです(^^;
・最も青春した生徒さんは安寿ミラさん♪
・舞台鑑賞数が最も多いのは圧倒的歌唱力に魅せられた涼風真世さん♪
・今は礼真琴さん推し。
・学生時代には演出助手の試験を本気で受けたくらい宝塚が好きな人間です(^^;
宝塚歌劇団 演出助手 不採用までの記録

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珈琲カルナバル(’92年月組・東京)

月組

【放送日時】7月18日(土)AM8:00~AM9:45

スカステ番組詳細

作品の概要は、スカステの番組詳細でどうぞ。

19世紀末のブラジル、サンパウロのコーヒー園を舞台に、農園主の娘とその婚約者、そしてイタリア系青年の三人の恋物語。’92年月組・東京宝塚劇場。作・演出は柴田侑宏。涼風真世、麻乃佳世、天海祐希 他。1880年代のブラジルは、ポルトガル王家の分流による独立君主制を保っていたが、世界の趨勢は共和制へ向かっていた。大農園主のモンテイロ伯爵は貴族の時代は去ったとポルトガルへ帰る決意をし、まだ若い息子の傍らに一族きっての切れ者アルツール(天海)を娘ベアトリス(麻乃)の婿として置き、実務はイタリア移民から抜擢したジュリオ(涼風)に任せるつもりでいた。だがアルツールはいつの間にか酒浸りとなり、伯爵やベアトリスを心配させていた。そんなとき隣の農園主との間でもめ事が頻発するようになり、ジュリオは、農園の若者頭エビタシオ(久世星佳)らと対策を講じる。やがて、アルツールの心がつかめず懊悩していたベアトリスはジュリオの頼もしさに惹かれるが、初めて会ったときから彼女を愛してきたジュリオは伯爵家への恩義から自分の気持ちを抑え続ける。しかし、収穫祭の最後の夜、二人の気持ちがとうとう燃え上がる。

タカラヅカ・スカイ・ステージ

この二人の気持ちが燃え上がる場面が、最高にぞくぞくするのですよ。

主な出演者

ラテン・ロマネスク『珈琲(カフェ)カルナバル』の主な出演者です。

ジュリオ

涼風真世
ベアトリス

麻乃佳世
アルツール

天海祐希
エビタシオ

久世星佳
パウロ

若央りさ
アントニオ

汐風幸
ブルーノ

大海ひろ
エステバン

真織由季
モンテイロ伯爵

汝鳥怜
アンドラーデ

箙かおる
ガブリエラ

高ひずる
ウーゴ

鈴鹿照
パトリシア

羽根知里
カロリーナ

舞希彩
シンシア

朝吹南

『珈琲カルナバル』ちょい感想

柴田先生の脚本書きの基本がパンフレットに記載されているので一部紹介。

ジャン・コクトーが「双頭の鷲」を書いたときに述べている。歴史の一隅に三面記事を制作する、これがドラマ作りの楽しさだ、と。私も過去何本もこの楽しさを味わせてもらったが、私の場合、楽しみの倍ほどの苦しみを同時に味わうのが常である。

「珈琲カルナバル 公演パンフレット」より

登場からかっこいい涼風ジュリオ

明るいラテンのリズムに続き、涼風さんが一人登場「ああどうすれば君を 忘れることができるだろう~」。すでに、涼風節全開です。麻乃ベアトリスへの秘めた熱い想いをこのわずか2分の歌唱で客席全員の心にぐっと刻み込ませます。

ジュリオは会った時からずっとベアトリスに恋をしていたのですが、イタリア移民の孤児だった自分を拾ってくれたモンテイロ伯爵に深い恩義を感じていて、ベアトリスへの想いをおくびにも出さず、コーヒー農園で精力的に働いている青年。伯爵農園の支配人を任されています。

涼風さんは声がいいので、歌だけでなくセリフの一言一言もかっこいい。それにあの大きな目。舞台上でひときわ輝くその目の存在感がだれよりも強い。

ジュリオの男気が人物設定だけでなく、涼風さんの全身から伝わってきます。

一気にクライマックスの話 第六場~第七場への展開がすごい

祭りの終わり。一堂歌い踊る中、涼風さんがしっとりと歌い、エビタシオ久世さんとパウロ若央さんを横に3人で踊る。そこに裸足で麻乃ベアトリスが加わる。この場面の音楽の展開がすばらしく、2回目以降見る時は初回以上にこのあたりからそわそわしてきます。音楽は寺田瀧雄先生。

この第六場「祭りの終わり」から次の第7場「恋」にかけては、間違いなくこの20年で私のお気に入りベスト3に入る場面です。尚すみれ先生の振付もシンプルながら涼風さんおカッコよさが引き立っています。ま、『銀の狼』でも同じような振付でしたけどね(^^;

そして、突然の雷鳴。ジュリオのバンガローへ。

バンガローの二人、実況入れます

ドキドキしてきます。かなり、ドキドキしてきます。

ベアトリスの濡れた髪、背中をタオルで拭いてあげるジュリオ。

身構えるベアトリス。

ジュリオ「雨に乾杯」

そして、なんとベアトリスの濡れた足をタオルで拭き、靴を履かせてあげるジュリオ。

雷鳴と共にふたり抱き合い…

ベアトリス「ジュリオ、わたしがいや?」

ジュリオ「会った時から、あなたに恋している…会ったときからずっと…なぜ今?」

ここからベアトリスの長セリフ。

ベアトリス「(略)。ジュリオ、あなたに恋しているわ!」

ジュリオ「ベアトリス、今私が何を思っているかわかりますか?あの雨の中へ飛び出していって、顔を雨に打たれてずぶ濡れになりながら大声で叫びたい。『ベアトリスが…ベアトリスがジュリオに恋しているって言った!みんな聞いてくれ!俺は、俺はベアトリスを!』

二人抱き合い(雷鳴)

ベアトリス「ジュリオ!あなたがここへ来た時、私はむしろ嫌っていた。ぶしつけで無作法な若者だと。それがいつの間にかあなたに掴まっていたのね。静かな顔の下に隠したあなたの強い光に私は…。

ここからジュリオの歌。もう、この歌、この曲がしびれます。何十回見たか分かりません。

もう結構お腹いっぱいです(笑)。

この場面、無理やり中3の娘に見せました。100円やるから3分見てくれと。

感想は…「動作が綺麗やなぁ」(笑)

それはさておき、一気に最高潮まで持ってきて観客も熱くなってきたところで、カロリーナ舞希彩さんとウーゴ鈴鹿照さんで一息。上手いわぁ、作家も役者も。

アンドラーデ

バンガロー以降は、しばらく農園の乗っ取りを企むアンドラーデとの対決まで一気に。

このアンドラーデという大悪党がチャルさんこと箙かおるさん。こういう曲者をさせたら右に出る人はいませんでしたね。最後の捨て台詞まで本物の悪党でしたよ。

天海祐希さんのアルツール 他キャストについて軽く

天海さんのアルツールという人物は、伯爵の後を継ぐ人物でベアトリスの許嫁。

ベアトリスを愛しているがゆえに、ベアトリスのジュリオへの想いに気づきねじれてしまう。

その弱さと強がってみせる様と、天海さんはこういう役がよく似合う。

この設定があるからこそのベアトリスの弟アントニオの死によって本来の姿を取り戻したとき、よりたくましさが感じられ、共感も誘うわけですね。

アンドラーデを探り、常にジュリオのことも気にかけるエビタシオの久世さん、

秘かにジュリオに思いを寄せる伯爵秘書の羽根知里さん、

さすがの演技で場をしめる汝鳥怜さん。

適材適所の配役で、役者全員が生かされています。

19世紀末のブラジル社会が変動する中に、ある農園をめぐる事件を創作し、その農園に関わる人物たちを息づかせドラマとなす柴田先生の巧みな脚本。非の打ちどころがありません。

結構、満腹なんですがたたみかけられます

事件解決後も次から次へメニューが。

第十三場「葛藤」。アルツール、ベアトリスのデュエットからのジュリオの歌。

柴田演出、幕前三人の交錯する思い。

さらに、ジュリオがベアトリスを諭すように語った後、最後にかける言葉。

ジュリオ「ベアトリス、あなたの瞳に宿った悲しみをいただいていきます。」

くぅ~。

さらにさらに、

あの日の雨のひとときに
夢見た恋の 想い出を
胸に抱いて 果てもなく...

「愛することの悲しみは…」で涼風満腹メーター200%到達です。

が、まだ終わりません。

第十四場「旅立ち」。

ベアトリスへの想いを歌い上げ、最後に、

ジュリオ「ジュリオ、大丈夫か…頑張れ」

この最後のセリフ、賛否あったかと思いますが、何気にすごい重い言葉ですよ。

それだけベアトリスへの想いが大きかったことがこの一言で胸に響く。

で、このセリフが言えるのは涼風さんしかいないですよ。

なぜ、ここまで言い切れるのか。それはもうこの作品を見てもらえれば分かります。

涼風満腹メーター300%到達

涼風真世主演『珈琲カルナバル』 まとめ

ぎらぎらと燃え立つような情熱と冷静さ、優しさ、哀愁をも感じさせる背中、ジュリオの男らしさには柴田先生の男のロマンが凝縮されています。

こんな男性像を書ける作家が今の宝塚にいますかね?上田久美子先生なら…期待できるかな♪

とにかく、この『珈琲カルナバル』ってあまり涼風さんを語る時に話題に出ないように思うんですが、私は男役・涼風真世の集大成的な素敵な作品だと思っています。

オスカルやPuckの印象が強いせいで、作品自体も過小評価されてしまっているような気がします。

この機会にぜひお見逃しのないよう予約しておいてくださいね。

スカステに加入されていないという方は、下記リンク(スカパー申込ページ)からどうぞ。手順に沿って行けばすぐにご自宅が宝塚大劇場になりますよ😊

申込方法・視聴料金などを確認しておきたいというかたは下記をご参照ください。
👉[視聴方法・視聴料解説付]宝塚が大好き“タカラヅカ・スカイ・ステージ”3食抜きでも満腹です]

今回はここまでです。