中学校の定期テストで『仁和寺にある法師』はどんな問題が出題されているのか気になる方へ。

実際に中学校の定期テストで出題された過去問題を例に、解答と共にポイント解説をしています。

『仁和寺にある法師』はとても分かりやすく、覚えてしまいさえすれば確実に得点できる単元なので、取りこぼしのないように頑張ってくださいね♪

基本的な古文の勉強法&基礎知識の確認は下記ページを参照ください。

定期テストの古文対策
中学古文の基礎の基礎をまとめました

※教科書が改訂により、現代語の説明部分などが若干変わったり、もちろん教科書会社によって違っていたりしますので、あくまで勉強する上での参考として活用してください。

古文の定期テスト勉強法は基本的に、
教科書の本文と現代語訳、作者、授業ノートを丸暗記するだけです!

自己紹介

・芦屋市で26年間、小中学生を対象の学習塾で文系科目を中心に指導
・中・高「社会」の第1種教員免許取得
・専門性を生かし、成績を上げるための方法や通信教育などの紹介記事多数執筆中

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『仁和寺にある法師』過去問

まず、問題文を読んで設問に取り組んでみましょう。

解答例

問1 ➀にんなじ ②かち ③もうで ④ほい

問2 年を取るまで石清水八幡宮を参詣(参拝)していないこと

問3 仲間

問4 極楽寺・高良など ※「など」は学校の先生の指示に従うこと

問5 岩清水

問6 神へ参るこそ本意なれと思ひて

問7 ほんの少しのことであっても、その道の先導者はあってほしいものである。

『仁和寺にある法師』全訳とチェックポイント

仁和寺にいる法師が、 年を取るまで 石清水八幡宮を 参詣したことがなかったので、 残念なことに思われて、 あるとき(石清水八幡宮を参詣しよう)と決心して たった一人 徒歩で 参詣した。

極楽寺・高良などを参詣して、 これだけのものと思い込んで、 帰ってしまった。

さて、 仲間に向かって、 「長年の間 思っていたことを成しとげました。 うわさに聞いたのよりも勝って、 とても尊くていらっしゃいました。 それにしても、 参詣している人たちが皆、 山へ登っていたのは、 何かあったのでしょうか。 知りたかったけれど、 岩清水八幡具を参詣することが 本来の目的だと思って 山までは登りませんでした。」 と言いました。

ほんの少しのことであっても、 その道の先導者は あってほしいものである。

※「参詣(さんけい)する」は「参拝する」「拝む」でもよいですが、時々教科書の訳通りでないと減点する妙な先生もいらっしゃるので、先生の指示・訳どおりに訳しておくのがよいですよ。

チェックポイント➀ 「ば」の用法

1行目「拝まざりければ」=参詣し/なかっ/た/ので
「ざり」は打消の助動詞「ず」の連用形
「けれ」は過去の助動詞「けり」の連用形
連用形+「ば」=「~(する)と」「~ので・~から」

連用形+「ば」は、中学生の間は「エ段+ば」で覚えておけばほぼ大丈夫です。

チェックポイント② 「係り結び」

係り結びが使われている部分は4か所あります。

5行目 尊くこそおはしけれ
6行目 何事ありけん
7行目 参るこそ本意なれ
7行目 と言ひける

チェックポイント③ 作者・吉田兼好

『仁和寺にある法師』の出典は鎌倉時代の随筆『徒然草』です。作者は吉田兼好(兼好法師)。

『徒然草』は古文の三大随筆として知られていますので、三つセットで暗記しておきましょう。

作品名作者時代
『枕草子(まくらのそうし)』清少納言平安時代
『方丈記(ほうじょうき)』鴨長明(かものちょうめい)鎌倉時代
『徒然草(つれづれぐさ)』吉田兼好(兼好法師)鎌倉時代

『仁和寺にある法師』:まとめ

中学古文

この話を簡単にまとめると、「仁和寺の法師が、せっかく長年気にしていた石清水を拝みに行ったのに、ひとり合点してふもとの極楽寺・高良などを石清水と思い込み、そこだけ拝んで山の上にある石清水を拝まずに帰ってしまった」ということです。

人に尋ねずに自分勝手な判断をしていると、手痛い失敗をすることがありますよ、という教訓が簡潔に述べられている文章です。

『仁和寺にある法師』は文章も短く、理解しやすいので、完ぺきに覚えて高得点を目指してくださいね♪応援しています!

今回はここまでです。

中学2年生の教科書準拠のワーク類は下記からどうぞ。

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中学2年 国語 教科書準拠

古文をしっかり学びたい方は出口先生の参考書がおススメ。