芦屋で塾講師歴26年のかつっぺです。
今回は、現在(2021年度入試)の兵庫県公立高校入試で採り入れられている“複数志願制度”について、具体例を入れながら解説します。
約5分くらいで目を通せると思います。
複数志願選抜とは
2020年現在、兵庫県の公立高校一般入試では「複数志願選抜」が導入されています。
従来の単独選抜や総合選抜とは異なり、複数の高校を志願することが可能で、第一志願校を優先(加算点あり)して合否を判定する制度です。
加算点は学区により異なります。
複数志願選抜が実施される学科
加算点とは
加算点の正式な名称は「複数志願選抜第一志望加算点」です。
内申点と学力検査の得点の合計(素点)にプラスして、第一志望校の合否判定に利用される点のことです。
第1学区を例に挙げます。
〇〇さん:内申点208点+学力検査192点+加算点25点=合計425点
合計425点が〇〇さんの得点として合否判定されます。
加算点一覧
学区 | 加算点 |
---|---|
第1学区(25校)神戸第一・芦屋・神戸第二・神戸第三 | 25点 |
第2学区(34校)尼崎・西宮・宝塚・伊丹・丹有 | 20点 |
第3学区(24校)明石・加印・北播 | 25点 |
第4学区(22校)姫路・福崎・西播 | 30点 |
第5学区(9校)北但・南但 | 30点 |
実質倍率は? 選抜方法の流れ
具体例で表してみます。
実質倍率約1.3倍
- 志願者数360名のうち320名が合格。
- 不合格者40名のうち20名が第二志願でB校に出願。
学区2番手のB校 [定員320名:志願者325名/第二志願での受験者20名]
- 新聞などで発表されるB校の倍率(応募倍率)は約1.02倍。
- 実質倍率は約1.08倍
第二志望志願者総数は兵庫県教育委員会HPにて後日発表されます。
ただし、総数のみ公表のため、上記例のように実際何人が受験したかは非公開なので実質倍率は一般には残念ながら不明です。
※実態についてはコチラの記事を参考にしてください。
複数志願の実質倍率は?兵庫県公立高校一般入試 加算点が明暗を分ける
志願変更
2月中旬に志望校へ出願した後、出願状況(倍率等)を見て、一度だけ志願変更をすることができる期間が設けられています。
志願変更のルール
志願変更のルールは次の4つ。
それぞれ具体例(枠内)を挙げておきます。
①複数志願選抜から複数志願選抜への変更は、第二志望の志願変更のみ認める。
[志願変更] 第一志望 葺合高校 第二志望 六甲アイランド高校
②単独選抜から単独選抜への場合は、志願変更を認める。
[志願変更] 兵庫工業 機械工学
複数志願選抜から単独選抜への場合は、志願変更を認める
[志願変更] 科学技術高校 機械工学
単独選抜から複数志願選抜への場合は、同一校内の学科への志願変更のみ認める。その場合、第二志望は認めない。
[志願変更] 小野高校 普通科 ※第二志望は出願できない
※2018年度入試までは「小野高校商業科(単独選抜)→長田高校普通科(複数志願選抜)」などへの志願変更が可能だったため、いわゆる偵察出願が可能となっていましたが2019年度からできなくなりました。
合否判定
- 内申点250点満点+当日の学力検査250点満点=素点(500点満点)
- 第一志願校では、素点に第一志願加算点を加えて判定
- 第二志願校では、素点をもとに合否判定
- 各校ごとに、第一志願・第二志願の受験生を得点順に並べ、定員を満たすまで上位から(総合判定を経て)合格
- 第一志願・第二志願の両方で合格した場合は、第一志願校に合格となる
- 複数志願選抜では、特別活動・部活動等に関する特別扱いは実施しない
複数志願制度:まとめ
細かいルールと合否判定のしくみが少し分かりにくいですね(^^;
注意しておきたい点は、「第一志願で不合格・第二志願で合格」となった場合、必ず第二志願の高校に進学しなければならないということ。
第二志願の高校と併願で抑えた私立高校と、どちらがお子さんに会った学校か、学力を伸ばしてくれるか、とうことなどもしっかりと考える必要がありますよ。
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