この記事は、夏休みの宿題「税の作文」をどう書いたらいいか分からない中学生に向けて書いています。
中学生の面倒くさい夏休みの宿題と言えば「自由研究・読書感想文・人権の作文・ポスター」など。
正直どうでもいい宿題が大量に出されてテンションが下がりますね。
今年は新型コロナウイルスの影響で長い春休みがあり、中3の娘の中学校ではすでに「読書感想文」の宿題が出されていました。それなのに、また短い夏休みの宿題にも「読書感想文」があると言います。「出さなくてもいいけど、出したら加点する。」って言われたら出さないわけにはいきませんよね。
何についてどう書けばいいかアドバイスが欲しいです。
本当は代わりに書いてあげたいけど、「税の作文」の書き方について、いくつかヒントをあげるので参考にしてください。
この記事では、
中学生でも書きやすい「消費税」
授業で習う「累進課税」
親も利用しているかもしれない「ふるさと納税」
を例に「税の作文」の書き方についてのヒントを書いています。
✅自分で調べる時に困ったことが出てきたら、国税庁のホームページを参考にしてみよう♪
https://www.nta.go.jp/taxes/kids/index.htm
・芦屋市で26年間、小中学生を対象の学習塾で文系科目を中心に指導
・中・高「社会」の第1種教員免許取得
・専門性を生かし、成績を上げるための方法や通信教育などの紹介記事多数執筆中
もくじ
中学生「税の作文」で消費税を取り上げる
消費税なら中学生のあなたも知っていますね。
商品やサービスを購入したら、その代金の10%分を納めるのが消費税です。
例えば、スーパーで小売価格100円(税別)という表示があるアイスクリームを買う時は、レジでの支払いは110円となりますね。
100円に上乗せして支払った10円(100円の10%分)が消費税ということになります。
では、この「消費税」でどう作文を書いていけばいいのか切り口を紹介します。
消費税が何に使われるのか
日本で消費税が導入されたのは1989年。
当初は消費税率3%でした。その後、1997年に5%となり、2014年に8%。
そして、2019年10月から10%になりました。
消費税法 第一条2
消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。
[どんどん増え続けているする社会保障費]
- 年金(定年による会社退職後に支払う)
- 医療費(実費と医療保険支払いとの差額)
- 介護保険の費用
- 少子化対策
- 幼児教育・保育の無償化
- 待機児童の解消
- 高等教育の無償化 など
※「少子高齢化問題」として少し自分で調べてみましょう。教科書にも載っていますよ。
日本では、国や社会全体として国民が健康で文化的な最低限度の生活を送れるよう社会保障の制度が整えられています。
でも、急速な少子化で働き盛りの若い人(生産年齢人口15歳~64歳)が減っています。
2017年時には7,596万人(総人口に占める割合は60.0%)いた生産年齢人口が、約20年後の2040年では5,978万人(53.9%)まで減少すると推測されています。
だから、生産年齢人口が減るということは、国にとっては社会保障のための収入が減ることになるので困るのです。
社会保障のための国の収入が減っていく中で、社会保障の費用をどうやって集めますか?みんなで負担する(=消費税)しかないでしょということ。
消費税にはいい面・悪い面があるので、それを例をあげながら自分の意見をまとめるという流れで原稿用紙3枚は書けるはずです。
消費税の作文構成の例
➀簡単に消費税について説明(例をあげて説明)
②消費税率がどんどん上がっている(年号と税率をあげてまとめる)
③なぜ消費税率があがっているのか?(消費税の使い道をちょっと詳しく)
少子高齢社会に対応するためのお金をみんなで負担。
④消費税率に関するあなたの意見
(例)消費税をみんなで負担はいいけど、収入が少ないお年寄りや病気で働けなくて生活保護で生活している人は消費税率があがると困るんじゃないの?生活に必要な食品などは消費税はいらないと思う。
中学生「税の作文」で累進課税を取り上げる
累進課税制度とは、所得(収入)が多くなるほど税負担が大きくなるという制度です。
例えば、「プロ野球選手が年俸(ねんぼう)1億円に到達!」なんてニュースがありますよね。
1億円プレイヤーの場合、所得税・住民税・事業税などで税金として最大約5,000万円を納付しなければなりません!
税金で半分支払ったとしても、5,000万円も手元に残るわけですからやっぱりすごいですよね♪
累進課税制度の意味
所得の再分配とは、所得の多い人にはたくさん税を支払ってもらい、病気などで働けないなど所得の少ない人へ社会保障費として給付することです。
芸能人やスポーツ選手は節税をする
累進課税によって所得の再分配をするという考えはとてもよいのですが、実際に何千万、何億と稼ぐ有名人の多くは支払う税金が少なくなるように節税対策を行っています。
具体的には、家族名義などでマネージメント会社を作り、本人はその会社と契約して収入を得るような形を作るんです。
会社の場合、法人税(一応累進課税ですが)を支払う必要がありますが、最大30数%と言われています。会社を作ることで他にもいろんな節税対策ができるようになります(作文ではあまり詳しく書く必要はないでしょう)。
累進課税制度(所得の再分配)に対する意見と、有名人が節税することに対する意見を簡単にまとめるとよいでしょう。
脱税の話題をからめる
中学生でもネタとして取り上げて不自然にならないのは、チュートリアル徳井さんの「申告漏れ・所得隠し事件」。
徳井さんも会社を設立しており、正しく収入の申告を税務署にしていれば問題なかったわけですが、故意かうっかりか知りませんが、正しく収入の申告ができていなかったことで大きな問題となりました。
この事件の詳細までを書く必要はありませんが、字数稼ぎに少し引用して、「たくさん稼いでいるのだから、ちゃんと納税してほしい」「反省する気があるなら、会社を通さず累進課税でしっかり納税してほしい」などの意見をそえるとよいのではないでしょうか。
累進課税の作文構成の例
➀累進課税制度について具体的な税率の数字をあげて説明(所得税の場合 年収500万なら20%、年収1億なら45%)
②有名人の節税(例をあげて説明)
③所得の再分配についての説明と➀②をふまえたあなたの意見
④字数が足りなければ徳井さんを例に意見を付け加える。
中学生「税の作文」でふるさと納税を取り上げる
学校では「ふるさと納税」については学習しないと思いますが、もしかしたらあなたの親が「ふるさと納税」を行っているかもしれません。
もし、あなたの親が「ふるさと納税」を行っていたら、
「ふるさと納税」の手順を聞き、
寄附金の使い道や返礼品(お返しでもらえる商品)についての感想など
を書くとよいでしょう。
「ふるさと納税」についてはここでは詳しく書きません。ごめんなさい。
なぜなら、私が娘に「ふるさと納税」について教えて賞を狙うからです(^^;
でも、せっかくここまで読んでくれたので、「ふるさと納税」について簡単にまとめておきます。
・翌年納付する住民税を、応援したい自治体(市町村)に寄付という形で前払いする。
・「災害復興に使ってほしい」「子育て支援に使ってほしい」など使い道を指定できる。
・寄付のお礼に指定した返礼品を受け取れる。
・自分の実質的な負担金は2,000円(複数の寄付をしても全部で2,000円)だけ。
・2万円の寄付で5,000円分の返礼品をもらうと、3,000円分お得。
・自治体も喜ぶし、自分も得して嬉しい制度がふるさと納税!
「先週はなぜか自宅で豪華な焼き肉パーティーでした!理由を聞くと“ふるさと納税の返礼品が届いた”とのことでした。そこで、“ふるさと納税って何だろう”と思って調べてみました。」という書き出しで進めていけばよいかと。
中学生「税の作文」の書き方 まとめ
「税の作文」は「税金」についてならどんな内容でもよいとなっているので、
あなたにとって一番身近な「消費税」が書きやすいでしょう。
上記では、「少子高齢社会による社会保障費の増大」との関係を提案しましたが、「外国の消費税はどうなの?」「消費税の代わりになる税金はないの?」など興味のある話題を取り上げてももちろんよいですよ。
基本の構成は「消費税について・消費税が何に使われるか・あなたの意見」で、本やネットで調べたデータや例を付け加えてまとめるとよいですよ。
「あなたの意見」はどんな意見でもOKですが、
なぜそう思うのかという理由をきちんと書いておくことがポイントです。
では、面倒な作文はちゃっちゃと片づけてしまいましょう!応援しています!