地域密着の個人塾で26年間塾講師(正社員)として働いていたかつっぺです。
新卒就職または転職・再就職で塾講師はどうかな、塾講師になりたいなという方むけ。
主に、小・中学生対象の集団授業塾の仕事内容に関する記事です。
塾講師の仕事内容は、授業を行うことだけではありません。
授業のための準備から保護者との懇談などさまざま。一日の仕事も年間を通してお仕事も結構忙しいものです。
塾講師の年間の仕事内容
-(参考)私が勤めていた塾の情報-
- 地域密着の個人塾(小規模塾)(法人化はしていた)
- 最大生徒数は200人ほど・平均130人程度
- 職員の数:塾長を含め最大6名、平均4名
- 小中学生対象(小学生は公立中学進学中心・中学生は公立高校進学中心)
3分ほどで読めると思いますので、最後までお付き合いください。
塾講師の一日の仕事内容
塾講師の仕事で一番大切なことは質の高い授業をして、子どもたちの学力を上げることです。
そして、志望校合格へ導くことです。
そのためにすべき仕事が中心となりますが、塾のタイプにより塾講師の仕事内容も違ってきます。
公立中学校・公立高校進学指導の集団授業塾の仕事内容
私が勤めていた塾がこのタイプの塾です。
最も一般的な塾と言えます。
当日の授業で行うテスト作成
大手塾ならテストが用意されていることが多いので、自ら作成する必要はない場合もあります。
私が勤めていたような個人塾や中規模塾の場合、生徒や進度状況に合わせてテストを作成する必要があります。
具体的には、
- 漢字テスト・英単語テスト・社会や理科の小テスト
- 単元別テスト など
漢字テストや英単語テストなどは長く使う教材を決めておけば、一度作れば数年は印刷するだけで済みます。
単元別テスト作りはかなり時間がかかります。
昔はテキストの切り貼りで済ませていたものですが、今はすべてパソコンで作成です。
英語や社会のテストはofficeソフトのワードを使って作成できますが、理系の場合は図形が入ってくるので一太郎と花子を組み合わせてオリジナルのテストを作る方も多いです。いずれにしても、数時間はかかるので単元テスト実施時までに少しずつ作っていく必要があります。
当日の授業準備をする(授業計画を立てる)
その日の授業で進むところまでの準備です。
具体的には、
- 宿題の解答・解説のために問題を解き、模範解答をテキストに写す。
- 授業内容の下調べおよび板書内容の整理。
- 授業で演習する問題を解き、模範解答をテキストに写す。
- 次回までの宿題・テスト範囲を決めておく。
問題を解いておくときに大切なこと
生徒からのどんな質問にも答えられる準備をしておくことです。
例えば、英語の空欄問題で( )に三単現のsをつける確認問題があったとします。
「トムは犬が好きだ。 Tom ( likes ) dogs.」
ほとんどの生徒は解答できます。
が、鋭い子は「先生、何でa dogじゃなくてdogsなんですか?」と聞いてきます。
英語専任の先生なら即答できるレベルですが、複数教科を担当せざるを得ない塾で英語が苦手な先生は忘れてしまっていたり、うまく説明できなかったりします。
このように、答えの部分だけでなく細かいところまでしっかり準備しておく必要があります。
テストの採点をする
前回行ったテスト(主に単元テスト)の採点を行います。
採点時には、その生徒の理解度をしっかり見極め、次回授業や今後のフォローに生かすよう努めます。
授業を行う
その日に進む予定の範囲までは必ず終わらせるように解説・演習を行います。
生徒の表情や演習時の取り組み具合などに注意し、各生徒の理解度を把握します。
上記以外の仕事
小さな塾は講師が次のような仕事を分担して行っている場合が多いです。
毎日または数日かけて少しずつしなけれなならない仕事です。
- 教室内の掲示物の作成・掲示
- 授業料の未納請求
- ホームページの運営・管理
- 父母通信の作成 など
大手塾の場合は、
- 会議・報告書(日報)の作成
- 営業(チラシ配布・保護者への電話など)
下の記事も参考にしてください。
難関私立中学校・私立高校受験専門の集団授業塾の仕事内容
灘中や開成中など難関校受験の専門塾の場合は、ほぼ担当科目の授業および授業準備だけです。
ただ、各中学校の問題研究などが重要で、ほぼ予備校講師の仕事と同じイメージでよいでしょう。
塾講師の年間の仕事内容
中規模塾~個人塾の年間仕事内容を例に
月毎の主な仕事スケジュールです。目安として参考にしてください。
3月
・中3卒業会
・新中学1年生の保護者会…保護者会資料作成
・春休み:春期講習
4月
・春休み:春期講習
5月
・中間考査テスト対策:対策プリント準備
・夏期講習時間割作成
6月
・夏期講習生募集チラシ作成
・期末考査テスト対策:対策プリント準備
・夏期講習費用請求
・保護者懇談スタート
7月~8月
・保護者懇談
・夏期講習問い合わせ対応
・夏休み:夏期講習
9月
・中3の土曜(日曜)授業スタート…部活引退で時間的余裕ができるため
・新年度時間割作成
10月
・冬期講習生募集チラシ作成
・中間考査テスト対策:対策プリント準備
・新年度 受講案内パンフレット作成準備
11月
・期末考査対策:対策プリント準備
・保護者懇談スタート
・冬期講習費用請求
12月
・保護者懇談
・入塾説明会資料作成
・冬休み:冬期講習
1月
・冬休み:冬期講習
・公立高校推薦入試対策…個別フォロー
・入塾テストおよび入塾説明会(日曜出勤あり)
・新学年保護者会資料作成
2月
・新学年諸費請求
・学年末考査対策:対策プリント作成
・新学年保護者会(日曜出勤あり)
・入塾テストおよび入塾説明会(日曜出勤あり)
・小6卒業会
大手塾の場合、対策プリント作成や保護者会資料作成などは事務員や担当者が用意してくれることが多いです。
塾講師の仕事内容:まとめ
もちろん、塾の形態や規模、指導対象によって毎日の仕事も年間の仕事も違います。
共通するのは「しっかりした分かりやすい授業を行い、生徒の成績を上げ、志望校合格に導くこと」です。
私自身はそのためにすべき準備が最優先だと思っていました。
とはいえ、実際には塾も私企業ですので、生徒を集めなければなりません。そのために営業活動をしなけらばならないのも仕方のないことかなと。
もはや結果さえ出せば生徒は増えるという時代ではありません。
なので、
塾講師の仕事は「生徒の学力向上・志望校合格を第一に考え授業や準備をすること+生徒集めのための営業活動を行うこと」と考えておくべきです。
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